ビジネスに熱心であればあるほど、「なんとしても売り上げをあげたい、収益をあげたい」といった気持ちが嵩じ、その強い気持ちが、ときにコンテンツへと反映されてしまいます。コンテンツは熱を帯び、消費者には、「買ってください」という暑苦しいメッセージばかりが届くことになります。

デパ地下で記録的な売り上げをあげる達人が、お客さんに向かって絶対に「いらっしゃいませ」と声をかけることはないと云っていました。その言葉に、お客さんは「何かを売りつけられるのではないか」という不安がよぎることになります。デパ地下で「いらっしゃいませ」を発すると、多くの消費者は、売り場を立ち去ってしまうらしいのです。

「いらっしゃいませ」という言葉は、消費者の頭の中では、「買ってください」と変換されてしまうということを意味しているのでしょう。食品コーナーに限った話ではありません。そう云われてみると確かに、店員から声をかけられると、慌てて「断り文句」を探そうといている自分がいます。

デパ地下の多くのお店では、店員が、この「いらっしゃいませ」を連発していますが、その言葉を聞いた多くの消費者は、押し売りされるのではないかと、売り場から遠ざかっていきます。達人から見ると、せっかく集まったお客さんを不安にさせ、警戒させ、逃すことをなるため、最悪のコミュニケーションとなります。
※ちなみに声をかけるのであれば、達人は、商品特性や利用メリットを言葉にするそうです。

このエピソードは、コンテンツづくりにおいて、いかに消費者の心を開くことが重要かを教えてくれます。多くのビジネスマンやマーケッターは、「こんなにいいものだから買ってほしい、使ってほしい」と切実に訴えますが、そうしたメッセージは、心の準備ができていない消費者にとっては、押し売りされるのではないかという不安や警戒心ばかりを募らせることにつながります。

ではどのように、消費者の心を開かせるようなコンテンツ、動画をつくれば良いのでしょうか。

それが、本日のテーマでもある「商品の利用シーンを見せる」コンテンツということになります。
僅か20秒ばかりの動画コンテンツです。

今回紹介する動画コンテンツは、商品の利用シーンだけを伝えるビデオです。キャンプで使う焚き火台です。心地よい音楽をもとに、商品を利用しているユーザーの姿を写しているだけの映像です。多くは語られていません。当然細かい商品特性を紹介してはいませんが、利用シーンを紹介することにより、商品にどんなメリットがあるのかを、自然なかたちで紹介することにつながっています。僅か20秒ばかりの映像ですが、「少ない枯葉でも火が起こせ、料理や湯を簡単に沸かすことができる」という根幹のメッセージをつたえることができます。多くは語らないものの、重要なエッセンスを伝えるにあまりあると云えるでしょう。

また商品の利用シーンを紹介する動画コンテンツの副次的なメリットとして紹介したいのは、制作費を抑えることができることです。利用シーンの紹介だけれあれば、主役は商品ですので、プロの俳優や高価なスタジオを必要としません。

読者の方の動画制作、動画マーケティグのヒントになるような動画コンテンツを今後も紹介していきたいと考えています。

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出版社やゲーム会社など事業会社において、営業の最前線から上流の戦略策定まで一貫したマーケティング・経営の実践を学んだあと、2002年よりウェブへ転向。SEOやリスティング広告のコンサルティングを経て、現在は、ブランディング、コミュニケーションについてのプランニング・コンサルティングを行う。また近年は、映像制作やエディトリアル・コンテンツ制作にも力を入れています。著書:『ホームページ担当者が知らないと困るWebサイトリニューアルの常識』(ソシム刊)

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